粉飾決算の見分け方!の話




粉飾決算

上場企業や大企業の内部に関わったことはないので、大きな会社のおかしな決算は私には全然わかりません。

小売店で年商25億円弱まで、製造業や建設業は年商5億円弱まで、飲食店を含むサービス業は年商2億円弱までの規模の会社のことしか知りません。

なのでこれから書く話も今まで書いた話も今後の話も、私が書く話は上限ここまで会社の話です。私の話を参考に上場企業の決算書を見ても何の役にもたちませんし、上場企業の粉飾決算を見抜くことはできません。

粉飾決算とは

粉飾決算とはどういうことなのか。
簡単に書くと会社の状態が本当は赤字なのに、儲かっている黒字状態に見せる行為。
あるいは利益が少ししかないのに沢山利益があると見せる行為。

粉飾決算って儲かるの?の話

もっと簡単に書くと実際よりも利益を大きくする行為、損失を少なくする行為です。実際に儲ける行為ではなく、帳簿上だけ決算書上だけ利益を大きく見せる行為です。

非上場会社の決算書や試算表

ほとんどの人が見たこともなく、見る機会もありません。会社経営をしている人が自社の決算書や試算表を見たことがあるくらいだと思います。

新しく取引をする相手会社の決算書を見る機会があった時に絶対に見ておくべき部分、自社の決算書や試算表を銀行がどのように見ている可能性が高いのかを書きます。

変動している部分

前年度と比べて変動が大きい項目は全て違和感を持たれますし、違和感を感じるべきです。

特に現預金、売掛金、在庫、貸付金、仮払金前払金や前払費用など理由がわからない流動資産、借入金、売上高、売上原価率、人件費、交際費、減価償却費、賃借料に大きな変動があった場合は詳しい理由を相手に聞くべきです。

納得できる説明がなされない場合は相手を疑うべきです。

逆にこの項目に大きな変動があるにも関わらず銀行が何も聞いてこない場合、担当者と良い関係が築けていない可能性が高いと思います。

粉飾する部分

損益計算書

収益である売上高等を増やすか費用を減らすかのどちらか、両方を組み合わせて利益を増やします。

元の金額が大きいので、数字をいじっても目立たないことや間違えたと言ってごまかせることが理由で、売上高を増やす行為か在庫を増やして売上原価を減らす行為、売上原価の中でも数字が大きい仕入高や外注加工費を減らすことで利益を増やす粉飾行為をすることが多いです。

目立ちにくく楽な売上高、在庫、仕入高、外注加工費、この項目は粉飾をする代表的な項目です。

売上高だけを増やしたり、在庫だけを増やすような雑な処理だと前年や過年度と比べて利益率が変わり、業種としてあるべき利益率からも剥離してしまうのでばれやすくなります。

そのことを避けるために売上と在庫を増やし、さらに仕入高や外注加工費などの原価も増やすことで利益率の変化を抑える粉飾をしている会社もあります。

ここまでやられると損益計算書を見ただけでは違和感も粉飾の気配も全く感じることができません。

貸借対照表

損益計算書だけではわからないことが貸借対照表を見ることでわかってきます。

損益計算書の飲食店や小売店などの現金商売もある場合は売上高の相手は現金か売掛金、現金商売がない製造業や建設業やサービス業など大多数の業種の場合は、売上高の相手は売掛金になります。

まず損益計算書の売上金額を期間の月数で割り、1ヶ月の平均売上を算出します。そして売掛金の残高が1ヶ月の平均売上の何ヶ月分であるかの確認をしてください。

【業種別平均売掛回転期間】
建設業:約3ヶ月
通信業:約2.5ヶ月
卸売業:約2.5ヶ月
農業:約2ヶ月
小売業:約1ヶ月
食料品製造業:約1.5ヶ月
不動産業:約0.5ヶ月

売掛金回転期間の見方と計算方法とは

昨日も全く同じことを書きましたが、業種ごとの平均売掛金回転期間はだいたいこれくらいです。売掛金回転期間とは売掛金の残高が何ヶ月分の売上高であるかということです。

売掛金残高が1ヶ月の平均売上高の4ヶ月分や6ヶ月分である場合は不自然であると思うべきですし、銀行にそのような決算書や試算表を提出した場合は当然怪しいと思われます。

年間売上金額が1億2千万円の会社、売掛金残高が6千万円だったら場合は6ヶ月分の売上金額が集金できていないということになります。

回収することが難しい不良債権状態の売掛金が相当額混ざっているか、架空の売上を計上しているか、どちらかの可能性が非常に高いです。確率的には8割くらいの確率で架空売上計上でしょう。

決算書の貸借対照表の売掛金残高と損益計算書の売上高の金額、そして決算月直近3ヶ月の各月売上高の金額をチェックすることでかなりの確度で粉飾の有無の可能性を確認することができます。

決算直近だけ売上金額が不自然に多い場合は粉飾決算を疑うべきですし、そのような状況は銀行に疑われる要素となります。

例えば決算月は3月で年間売上高が2億4千万円で売掛金残高が8千万円。1月と2月の売上高が1千万円ずつで3月の売上高が6千万円だった場合、非常に怪しいと思わざるを得ません。

何を見ればわかるのか

法人税申告書とセットになっている決算書と法人税申告書と一緒に税務署へ提出する法人事業概況説明書を見ればほぼわかってしまいます。

法人税申告書と法人事業概況説明書は必ず税務署の受領印があることと、決算書と申告書、決算書と法人事業概況説明書の内容が一致しているかを必ず確認してください。

法人事業概況説明書には月別の売上高、仕入高、外注費の金額が記載されています。直近3ヶ月の売上高の金額と売掛金残高、直近3ヶ月の仕入高と外注費の金額と買掛金残高を確認するだけで怪しい会社はすぐにわかると思います。

銀行や信用保証協会は当然この部分の確認をしています。してますよね?

おかしいと思っても言ってこないところが気持ち悪いところ。気付かれていないわけではないのです。わかっているけど言わないだけなのです。

銀行もおかしいと思ったら率直に会社や会計事務所に聞いてしまえばいいのにって思います。
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