中小企業は台風などの自然災害にどう備えるべきか!の話






2019年9月9日早朝に過去最強クラスの勢力を保った台風15号が関東地方に上陸しました。

千葉県の房総半島では9日2時頃から停電被害が広がり、停電から18時間以上経過しても停電が続いていてエアコンも使えない状況です。

中小企業が台風などの災害時に考えるべきこと

損害賠償請求を避ける

まず最初に考えるべき事は他者に迷惑をかけたり損害を与えないことです。

台風15号の強風の影響で千葉県ではゴルフ練習場のネットを張った支柱が倒れ、10軒以上の民家を損壊させてしまいました。
ゴルフ練習場のネットが民家直撃「妹が挟まれた」 台風15号強風で

ニュースに詳細は書かれていませんが、報道写真から10軒以上の民家を損壊させてしまっていることがわかります。

運営会社は当然火災保険に加入していると思われますが、これだけの損害を想定して保険に加入している可能性は低く、損害賠償額を保険で補いきることができずに会社経営が行き詰まってしまうかもしれません。

実際の損害賠償リスクだけではなく、取引先などから損害賠償による倒産懸念を持たれることなどの信用リスクも忘れてはいけません。

損害賠償は保険で問題なく補うことができても、信用不安が起きることにより取引先からの信用が落ちる可能性が非常に高いです。

他者に損害を与えないための対策
まずは台風や地震などで崩壊や倒壊をして他者に損害を与えてしまう可能性がある自社物を修繕するか撤去することです。

災害時の崩壊や倒壊は他者に損害を与えなくても自社の社員の生命を脅かしたり、自社の資産を崩壊や損傷をさせてしまうリスクがあります。

崩壊してしまいそうな物は古い物や売上や利益をあまり得ることができない物のことが多いので放置されていることが多いと思いますが、災害時にリスクを考えるて早めに修繕か撤去、廃棄をするかの決断をしてください。

この決断が面倒だと思ってしまう物ほど損害を被ってしまうリスクが高い物です。考えるのも嫌になってしまうような物はおもいきって撤去廃棄してしまいましょう。

社員の安全確保

台風の場合は地震と違い、ある程度危険な日時を予測することが可能です。風雨が強まってきてから帰宅させるのではなく、余裕を持って風雨が強まる予報時間の6時間前には帰宅させるようにしましょう。

台風通過後は天気は良くても風が強く、台風の被害により通勤路には危険が沢山あります。通勤時の混雑は尋常ではなく、仕事よりも通勤の方が疲れてしまう状況です。

台風接近時は台風通過後に無駄な出社をさせずに済むように予め納期調整などをして仕事に余裕を持たせておくべきです。

台風通過直後の異常な混雑時は社員を休ませることができる余裕を作っておきたいところです。

このような措置は大企業ではなかなかできず、小回りの利く中小企業だからこそできることです。社員のことを本当に考えるのならば疲れるだけの意味のない出社はさせないで済むように考えましょう。

これは常に考えることではなく、台風接近時だけ考えれば良いことなのでやる気になればできるはずです。

台風などの災害が起きた時にすべきこと

損害の証拠を残す

災害により損害を受けてしまった物や場所の写真はできるだけ多く撮りましょう。これくらいで良いだろうと思った10倍の枚数を撮ってください。

iPhoneでもデジカメでも数百枚の写真を撮っても費用はかかりません。ありとあらゆる方向から写真を撮りましょう。動画撮影が可能であれば動画であらゆる方向からの撮影もしてください。

時間の経過と共に被害物の状態が変わった場合もまめに写真を撮ってください。保険会社との交渉時は証拠物が多ければ多いほど信用と信頼を得ることができるので交渉が簡単になります。

被害の状況は文章としても残してください。手書きのメモでもスマホのメモでもリマインダーでもエバーノートでもボイスレコーダーでも何でも良いです。

写真や動画と紐付ける形で詳細な状況を文章か言葉として残してください。人の記憶はかなり曖昧で、災害などの緊急時になるとストレスの影響で普段以上に記憶力が落ちます。

その時は忘れるはずはないと思っていた災害時の状況も、災害時だからこそ見事に忘れてしまい記憶がなくなってしまいます。

ちょっとしたボイスレコーダーへの録音が保険会社との交渉や補助金申請を楽にすることになります。写真とメモや録音は必要と思う10倍程度は残してください。

銀行からの融資検討

台風などの被害が甚大だった場合は早期に資金繰りに行き詰まることが予想されます。危険な状況になる前にメインバンクの担当者に相談してください。

大きな災害時は国や県、市町村による特別融資枠が設定されることがあります。通常の融資は利益を得るため、より多くの利潤を追求するために実行されますが災害時の特別融資は災害の影響による倒産を防止するための融資です。

災害直前の融資を断れていても融資を受けられる可能性が高いので諦めずに早めに担当者に相談してください。

緊急時のために融資枠に余裕を持たせておく
台風など災害時のためだけではないのですが、災害時など特別な危機的状況が起きる可能性を踏まえて融資枠はギリギリまで使わずに余裕を持たせておくべきです。

可能であれば月商の2ヶ月分以上、最低でも月商金額は融資枠に空きを持たせておくべきです。災害時は月商金額の融資を受けてもあっという間に飛ぶ可能性が高いので、やはり月商2ヶ月分は融資枠に余裕を持たせておくべきです。

中小企業が台風などの災害に対して備えるべきこと

損害賠償リスクを低くする

先にも書きましたが損壊や倒壊で他者に危害や迷惑をかけてしまう物の修繕か撤去を第一優先にすぐ実行してください。

これは後回しにしてしまうと1年後も5年後もそのまま放置状態になってしまいます。

適正な損害保険契約をしておくこと

適正な保険契約をするためには信頼できる保険代理店の人と関係を築く必要があります。自分にわかるように、わかる言葉でわかるまで説明してくれる人。

そんな代理店の人に会社の状況をありのまま話し、そして自分が納得できるまで説明を聞いてから契約をしてください。

地震保険を組み入れなければ比較的安価である火災保険、あまり説明を聞かずに適当に契約している会社が多いと思います。

安価であるからこそ、納得できるまで話を聞き、余裕のある金額で契約をしてください。

おかしな契約や口約束はしない

災害が永遠にないことを前提としたいい加減な契約や口約束は謹んでください。

この件についてはこれ以上書きませんが、災害が起きなければ表沙汰にならないことも災害時には表沙汰になってしまうこともあります。

目先の利益を取りに行かずに、災害時のことも十分に考えて契約をしてください。

今後の災害被害予測

地球温暖化の影響による台風被害リスクの増加

地球温暖化の影響で今後は台風被害のリスクがさらに増していくことが予想されます。

台風の発生数や接近数や上陸数が増えるだけでなく、今までとは違う動きをしたり日本近海で台風が発生するようになったり、日本近海に留まってしまう迷走台風が増えてくると思われます。

気象庁のサイトで確認をしましたが、今のところ台風の発生数や接近数や上陸数は目立って増えているようなことはありませんでした。

感覚的には台風の接近数や上陸数が最近増えていると感じていたので、かなり意外な感じがしました。
本土(北海道、本州、四国、九州)への接近数

台風の接近や上陸と実際の被害の大きさや量はイコールではありませんので、最近台風被害が増えているというエビデンスは近いうちに見つけて追記したいと思っています。

地震リスク

地震の予測は不可能なのでいつ起きるかわかりませんが、いつの日か東海地震や南海トラフ地震が起きます。
東海地震とは

その他の今まで大地震がなかった場所でも大地震が起きる可能性があるので、日本全国全ての会社が大地震に対しては備えておく必要があります。

地震への備え
地震への備えも地震の被害を受けた後の対応も台風災害とほぼ同じです。保存食や水など従業員が数日寝泊まりできる分くらいの備蓄品は用意しておくべきです。

地震保険は保険料が非常に高いので加入するかどうか悩ましいところだと思います。信頼できる保険代理店の人に適切なアドバイスをもらい決めるべきだと思います。

一般的には資金繰りを悪化させてまで加入する必要はないと思いますが、資金繰りに余裕があり、毎年法人税等を支払っている状況でしたら高額であっても加入を検討するのが良いと思います。

税金を払うくらいでしたら地震保険を支払った方が有意義です。

災害が起きた時が見直しのチャンスです

今回の台風のように災害が起きた時だけがリスクを避けるための行動をするチャンスです。時間が経つと怖さやリスクを忘れてしまうのです。

今の気持ちを忘れる前にシッカリと対策をしないと大きな後悔をすることになってしまいます。今すぐに動いてください。
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