粉飾決算って儲かるの?の話

粉飾決算

粉飾決算とはどういうことなのか。
簡単に書くと会社の状態が本当は赤字なのに、儲かっている黒字状態に見せる行為。
あるいは利益が少ししかないのに沢山利益があると見せる行為。

利益を多くした状態で決算をするので、ありのままの申告よりも法人税などの納税が多くなります。
利益を減らして申告をする脱税と逆の方向になります。

粉飾決算をすることで通常より多くの税額を支払うことになるので税当局からケチがつくことはありません。
厳密には消費税や粉飾が長期間にわたる場合は問題点が出てくるのですが、この問題点についてはまた別の機会に書こうと思ってまいす。

税額が多くなってしまうのにどうして粉飾決算をするのか。
中小企業や零細企業の場合は銀行からお金を借りるための場合がほとんどです。

20年くらい前は、会社の利益が1円でもプラスでないと銀行から借入をすることができないという都市伝説がありました。
1円でもマイナス状態、赤字状態だと銀行から借入をすることができないという都市伝説です。

当時はバブル崩壊後ながらも、リーマンショック後と比べると波はありながらも極端な業績の落ち込みは少なく、少し黒字になったり少し赤字になったりを繰り返している会社が多かったです。

1円でもプラスでないと借入をすることができないとの噂、実は根拠なしので噂ではなく、銀行の担当者が遠回しに言ってきていたんです。
この遠回しにというのがポイントです。

遠回しな言い方であり、さらに本当かどうかもわからないですが借入ができないと困ってしまうので、無理矢理にでも黒字決算にしていた会社がかなり多かったと思います。

どうやってプラスにしていたか、黒字にしていたか。
売上から費用を引いた金額が利益の金額です。
利益の金額を増やすためには売上の金額を増やすか、費用の金額を減らせば良いだけです。

売上が3千万円、費用が5千万円の場合は3千万円から5千万円を引いた2千万円の赤字の状態です。
これをプラスの状態、黒字状態にするためには売上を2千万円以上増やすか費用を2千万円以上減らすことで実現できます。

例えば、売上を3千万円増やすと本当の売上3千万円プラス3千万円で6千万円の売上となり、費用5千万円を引くと1千万円の黒字状態になります。

元の費用5千万円を3千万円減らして2千万円にした場合は、売上3千万円から2千万円の費用を引いた1千万円の黒字状態になります。

売上を2千万円増やしても費用を2千万円減らしても同じ利益金額になります。

こう書くと利益をあるように見せかけることはとても簡単なように感じます。

複式簿記と貸借対照表が必要ということがからむことから、事はそう簡単ではありません。
(複式簿記と貸借対照表の意味はよくわからなくても投稿内容に影響しないので大丈夫です)

売上を3千万増やした場合にはその結果が必要になります。
どういうことかと言うと、増やした3千万円の売上が現金になっているのか、預金になっているのか、まだ未入金の状態(売掛金)なのか、先払いしてもらっていた(前受金)のかを表示する必要があります。

費用を減らした場合は現金か預金が増えるか、支払期限が到来していない掛けの金額(買掛金・未払金)を減らすか。

どちらの場合であっても現預金の額を変えるわけにいかないので売掛金、前受金、買掛金、未払金をいじることになります。

2017年3月に破綻した旅行会社てるみくらぶは売掛金と前受金をいじっていました。
てるみくらぶの粉飾方法の件は後述します。

費用を減らすという処理は買掛金か未払金を減らす必要があり、元からある金額が上限となります。
少額であれば計上し忘れたとの言い訳もできますが、いじる金額が大きくなると不自然さが目立つので、通常は費用を減らすという粉飾方法はあまり使われないと思います。

粉飾決算のメインの方法は架空売上の計上が主だと思います。
あと在庫の架空計上。

在庫を増やすと利益が増えます。
在庫とは商品だけでなく、製造業であれば未完成の製品、納品前の製品在庫、建設業であれば未完成や引き渡し前の現場にかかった原価と費用などです。

架空売上と架空在庫は次の決算時に減算処理をします。
この時に減算処理をしても利益が出ていれば1回の粉飾決算で不正と手を切ることができます。

しかし減算処理をしてしまうと、また赤字になってしまうことが多く、減算処理とは関係なく赤字決算が続いてしまった場合はまた粉飾決算をすることになります。

1年分の決算書を見ても粉飾決算と気付かれることは少ないですが、だんだんと粉飾金額が大きくなってくると数年間の決算書を並べると不自然な部分が目立ってきます。

年間売上金額の半分の金額が売上未収入金(売掛金)となっていた場合、架空売上計上をしているか多額な回収不能である不良債権があるかのどちらか。
利益が出ていても銀行からの融資は期待できません。

粉飾決算をすることが違法であり、許されないことではありますが、実は困ってしまうのはここから先です。

粉飾決算を続けているうちに粉飾金額が大きくなり、会社の売上が減り続けてしまうことで年間売上金額に対する粉飾金額率が高くなっていきます。

粉飾決算をしてもあまりにも不自然なバランスになってしまい、融資を受けることができなくなると粉飾を全て吐き出す決算をする必要がでてきます。

売上金額に対して粉飾金額率が高くなりすぎていると、こことでとても困ったことが起きてしまいます。

粗利益がマイナスになってしまうんです。
粗利益というのは小売店の場合で言うと売上金額から仕入金額を引いた金額のことです。
粗利益がマイナスになってしまうということは仕入れた商品の金額より安い金額で売っていたということになります。

100円で買った商品を90円で売っていたという感じです。
1年間の仕入金額より売上金額の方が少ないというのはあまりにも異常な状態です。

しかし長年続けてしまった粉飾状態を元の状態に戻すにはこのような異常な決算をしなくてはいけなくなってしまった会社が多数あったはずです。

当然金融機関からの信用はなくなり、最低でもその後1年は借入をすることができなくなります。
ここで持ちこたえることができず破綻してしまう会社が多く、持ちこたえることができてもこの1年間借り入れができなかった時の影響がその後も残ってしまい、破綻してしまう会社が多かったです。

1円でも黒字にしないと借入をすることができないという都市伝説、銀行担当者の遠回しの要求に一度応じてしまったことがきっかけでボロボロになってしまった会社、多々あると思います。
都市伝説は都市伝説なので、不正などはせずに信用関係を築きながら仕事をしていくのが一番です。

てるみくらぶの粉飾方法は架空売上計上でした。
旅行会社なので掛売はほとんどなく、旅行前に客に代金を支払ってもらうことがほとんどでした。
旅行前に客から受け取っていた代金(前受金)を減らして売上計上、さらに架空の掛売(未収収益・売掛金)を組み合わせて架空売上を計上していました。

旅行会社の場合は先払いでお金をもらいますので掛売(未収収益・売掛金)はほとんど発生しないはずです。

1年分の決算書を見ても気付かないかもしれませんが、3年分の決算書を見て掛売の異常な多さと、客から先払いで受け取っていた金額(前受金)の異常な少なさ。

かなり不審な決算書であり、粉飾をしているということに金融機関が気付いていなかった可能性はないと思います。

金融機関がてるみくらぶに対して訴訟をおこしていますが、金融機関もわかっていて貸していたくせに!って思います。
こんなの気付かないで貸す金融機関も担当者も絶対にいません。

粉飾決算をしていたてるみくらぶが一番悪いというのは間違いないですが、完全な被害者面をしている金融機関のいんちきっぷりが鼻に付きます。

現在もまだかなり多数の会社がこのような粉飾状態から抜け出せずに、異常な決算を続けていると思います。

粉飾状態からの脱出時はどのような方法であっても必ず痛みや強烈なダメージをくらうことになります。
最低でも1年間は金融機関から借入をすることができなくなります。

税務相談に乗ることはできませんが、粉飾状態からの脱出、離脱案件はかなり経験がありますので有用な提案をすることができると思います。

現状の危険度の判定や粉飾を吐き出した時にどの程度ダメージを受けてしまうかどうか。
いろいろと相談に乗ることができると思います。

気になった方や興味がある方は下記会社サイトからご連絡ください。
http://www.ichika.co.jp/
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